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蹴り上げ

当会の稽古は最初に柔軟体操をしてから「蹴り上げ」を行います。

この蹴り上げは稽古前の準備体操の一環として行っていますが、とても意味のある大切なものと考えています。

 

まずは「神経筋促通」・・・柔軟体操やストレッチは筋腱を伸ばして関節可動域を広げるためのもの。

立位で脚を前や横に上げる蹴り上げは、脚という重い物体を引き上げるための筋肉を使います。

筋肉を使うという事は、その筋肉を収縮させるため神経のたくさんの電気量が必要なのです。

この電気量を増やして筋肉の収縮率を上げるため(神経筋促通)の蹴り上げであり、これをちゃんと行うと

前蹴りや足刀蹴りも出しやすくなるんです。

 

次に「重心コントロール」・・・特に前蹴り上げでは前屈立ちで前足に体重をかけ重心をキープします。

脚を上げる時も、下げる時も、重心をキープしたまま行う事を目的としています。

このコントロールが全てにおいてとても大切で、蹴り足を戻す時にもコントロールしながら戻す訓練をします。

ミット蹴りや対人稽古でも、蹴り足を勢いで適当に戻すのでは無く、コントロールしながら戻す事を厳しく指導

してきました・・・常に身体が戦えるバランスや姿勢を保てるように。

その重心コントロールが出来てこそ「体幹軸」がしっかり出来るのです。

 

空手に限らずどんなスポーツでも、上達するうえでぶれない「体幹軸」を作る事は絶対に必要ですね。

空手では型をうつ時、ミットを蹴る時、対人稽古の全てで、しっかりとした体幹軸が求められます。

その軸をしっかり稽古して欲しいから、またはしっかり稽古するための「蹴り上げ」でもあります。

その意味をいつも口うるさく指導していますが、意味を理解して実践出来ていないのも現実です。

「神経筋促通」「重心コントロール」「体幹軸」・・・とても大切な要素を訓練しているのですから、

今後もさらに厳しく!(笑)繰り返し繰り返し 指導をしていきたいと思います。